お久しぶりです。又もや更新をサボっておりました(汗)。最終更新から2週間も経っていました…。
と、私がブログを更新していない間に、マルタのバス料金が変更しているではありませんか!料金以外にも色々と変更が…。
ちなみに、マルタには鉄道が無いため、主なる公共の交通機関はバスとフェリーです。
旧料金と新料金
この春までは、
旧料金
有効区域 | 種類 | 大人料金 | 小人/シルバー割引料金 | 学生割引料金 |
マルタ島 | 2時間有効 片道券 |
€1.30 | €0.30 | – |
マルタ島 | 1日 | €1.50 | €0.50 | – |
マルタ島 | 7日 | €6.50 | €2.30 | – |
マルタ島 | 30日 | €26 | – | €21 |
マルタ島 | 90日 | €72 | – | €60 |
マルタ島 | 深夜2時間有効 片道券 |
€2.50 | – | – |
ゴゾ島 | 2時間 | €1.00 | €0.30 | – |
ゴゾ島 | 1日 | €1.50 | €0.50 | – |
ゴゾ島 | 7日 | €6.50 | €2.30 | – |
そして、これら乗車券の他に、更にプラス割引のあるバス料金支払い用プリペイドカード「Tallinja Card ターリンヤ カード」がありました。
こう見てみると、マルタのバス料金って安い…。
近頃、新しい車種のバスも導入され、「こんなに安い料金で大丈夫なのか?」と不思議に思っていた矢先の料金改定…。
気になる改定後の料金はというと、
新料金
冬 | 2時間有効片道券 | €1.50 |
夏 | 2時間有効片道券 | €2.00 |
– | 深夜2時間有効片道券 | €3.00 |
以上。
恐ろしくシンプルな料金表です(汗)。
冬夏料金が導入され、値上がりもしました。
ゴゾ料金も無くなっています。が、コレは一枚の券でマルタ島もゴゾ島も行けるという嬉しい知らせではなく、今まで通り、各島でその都度券を買えという意味だと思います。
そして、ありとあらゆる割引料金が全廃止!
サイトに表示されてないということは、廃止されたと考えていいのよね?まさか、書き忘れじゃないわよねぇ(あり得なくも無いので:汗)??
1日券はともかく、子供・シルバー料金が廃止されるとは、どういうことぞや??
と、首を傾げていた所、あるカラクリがあることを発見。
プリペイドカードで割引
調べてみたところ、バス料金支払い用プリペイドカード「Tallinja Card ターリンヤ カード」を使うことで、以前とほぼ同じ料金でのバス利用が可能になるではないですか!
まるで、以前の割引料金を再現するべく、5種類の「Tallinja Card ターリンヤ カード」が存在します。
Tallinja Card ターリンヤ カードの種類
Tallinja Card Children 子供ターリンヤ カード(4~10歳)
2時間有効片道 | €0.25 |
1日(月~土のみ) | €0.50 |
1週間(月~土のみ) | €2.00 |
深夜2時間有効 | €2.50 |
Tallinja Card Student 学生ターリンヤ カード(11~16歳)
2時間有効片道 | €0.75 |
1ヶ月(月~土のみ) | €21 |
3ヶ月券 | €55 |
深夜2時間有効 | €2.50 |
Tallinja Card Adult 大人ターリンヤ カード(17~59歳)
2時間有効片道 | €0.75 |
1ヶ月(月~土のみ) | €26 |
深夜2時間有効 | €2.50 |
Tallinja Card Concession 特別割引ターリンヤ カード(60歳以上等)
2時間有効片道 | €0.25 |
1日(月~土のみ) | €0.50 |
1週間(月~土のみ) | €2.00 |
深夜2時間有効 | €2.50 |
Tallinja Card Gozo Residents ゴゾ住民ターリンヤ カード
2時間有効片道 | €0.75 |
ゴゾ1ヶ月(月~土のみ) | €10 |
ゴゾ+マルタ1ヶ月(月~土のみ) | €26 |
深夜2時間有効 | €2.50 |
上記のターリンヤ カードの問題点
これらのカードの購入には、マルタ政府が発行したIDカードもしくは運転免許証を提示して登録する必要があります。しかも、発行には数日かかるそうです。
すなわち、旅行者は買うことの出来ないマルタ住民のみに発行されるカードなのです…。
● ターリンヤ カードの購入方法
MALTA PUBLIC TRANSPORTのサイトでオンライン登録、もしくは電話2122 2000にて登録、マルタ・ゴゾの主要バスターミナルもしくは空港にあるMALTA PUBLIC TRANSPORT窓口にて登録をし、購入するとこが可能です。
非マルタ住民でも購入できるバス乗車カード
前項でガックリした旅行者の皆さん、気を落とさずに聞いて下さい。
旧料金の7日間€ 6.50の安さにはかないませんが、旅行者でも購入可能で即時使用が出来るプリペイドカードが存在するのです!
Explore 7days Adult €21
使用開始から7日間(深夜も含め)制限無しバスを利用できるカード。
Explore 7days Child €15
使用開始から7日間(深夜も含め)制限無しバスを利用できる、子供(4~10歳)用カード。
12 Single Day Journeys €15
いわゆる回数券です。2時間片道乗車を12回、夜間2時間片道乗車ならば6回の利用が可能です。
● カード購入方法
マルタ全土にあるMALTA PUBLIC TRANSPORTのキオスクにて購入することができます。
マルタのバス会社とバス料金の変化
数年前まで、マルタのバスは「カラフルでアンティーク。ハンドペインティング、改造、デコレーション等々」、「公共の交通機関でありながら、オーナーシップ制(バス運転手兼所有者が国営バス会社に持ち込み契約して運行)」と、とてもユニークな特徴を持っていました。→マルタバス参照
しかし、2011年7月、イギリスのバス会社ARRIVAがマルタのバス路線を買収、以前のオーナーシップ制は廃止、街行くバスはARRIVA社のなんてこと無い中古バスに変ってしまったのです(泣)。
旧型マルタバスに乗り損ねた私は(2013年に引っ越してきたため)、「新型バスなんて!」と騒ぎました。
が、しかし、「冷暖房無し、時刻めちゃくちゃ、何だかワイルドな運転、エコじゃない」のオーナーシップ制旧型バスを毎日利用するということは、ストレスの賜物、いや、危険との背中合わせな毎日であったらしく、多くのバス利用者は肩をなでおろしたようです。
確かに、マルタの自動車普及率は141カ国の中で9位と、小っこい国の割には高い!バスは信用できないから車なのでしょうねぇ…。
オーナーシップバス~ARRIVA社~MALTA PUBLIC TRANSPORT社へ
2013年7月3日から運航を開始したARRIVAバスでしたが、オーナーシップバスからARRIVAバスへの運転手移動手続きが思うように進んでおらず、70人あまりの運転手が不在という事態に見回られました。
結果、幕開けから大規模な遅れと運行停止が勃発し、ARRIVAには批判が集中しました。
そして、それから一週間に亘り、ARRIVAの新しいシステムに不満を持つ旧マルタバス運転手達およそ180人が現れないという問題までもが発生。
ARRIVA社はその場をしのぐ為、イギリスから仮の運転手70名を呼び寄せ、即急な運転手育成に取り取り組みました。
また、「マルタのIDカードを所持していない者の1日券は€ 2.60で、IDカードの所持者はその40%割引の料金」という料金設定がEUの目に留まり、EU法上違反だと非難を浴びました。
とにかく、初っ端からすったりもんだりのARRIVA。
まぁ、観光客によるバス利用はバカにならない収入源ですから、観光客向け料金は高く設定したいのでしょう。気持ちはわかります。しかし、EUが黙っていないからなぁ。
結局、ARRIVA社は、2013年12月末までの2年半で5000万ユーロの損失を出し退去。
2014年の1月からは、マルタ政府が運営するMALTA PUBLIC TRANSPORT社がバス運行を開始しました。と共に、運賃がコレに変ったのですよ。
EUのお怒りを買ってはいけないとMALTA PUBLIC TRANSPORT社が設定した料金は「全ての人がマルタ住民と同じ料金」という旅行者には嬉しい料金設定でした♪
が、やはりそれではキツかったのか…。
どうにかこうにか「EU法に触れず(恐らく)、マルタ住民の怒りを最小限に抑え、観光客から稼ぎ、ついでに電子マネー化の促進」を考案し練りだしたのが、この7月に改定されたの新乗車券料金と新ターリンヤ カードなのだと思います。
ちなみに、乗車券(カードではなく)はバス乗車時に運転手から買うことができるのですが、20ユーロ札以上のお札は拒否されるらしいので、小銭の用意を忘れずに(やはり、電子マネー化を促進しているなぁ)。