北海道で行方不明になっていた男児が、一昨日の朝になって無事発見されたニュースは、海外のメディアでも真っ先に取り上げられていました。
何はともあれ、無事で本当に良かったです。
しかしまぁ、この「父親が7歳の子供を山に置き去りにする行為」。たとえそこにどんな理由があったとしても、ヨーロッパの多くの国では、親が罰則対象になるケースだろうなぁ。
小学生の独り歩きは基本ダメ
ヨーロッパの多くの国では、小学生以下の子供の外出には、大人の同伴が義務付けられています。
この年齢の子供が独りで留守番することも、基本的にはダメとされています。
今現在、私が住んでいるゴゾは、ヨーロッパの中でも比較的治安が良い場所なので(交通面は危険)、たま~に11~12歳くらいの子供の独り歩きを目にすることがありますが、それでも大人同伴が基本です。
私が以前生活していたミラノ周辺となると、もはや独り歩きの子供はいません。道端に子供が独りでいたら、ものすごく目立ちます。犯罪者に目をつけられる可能性は大です。
このような状況ですから、ゴゾでもイタリアでも、保護者が子供の学校の送り迎えをするのは当たり前。家の目の前に停車するスクールバスでさえも、保護者がバス停まで迎えに行く必要があります。
そして、子供が単独行動しないということは、道路環境にも影響してきます。やはり、「子供にやさしい道路環境を目指そう!」という発想が第一に出てこないのか?歩行者のための道路環境の改善に乏しいです。あっ、でも、同じく子供を独り歩きさせない北ヨーロッパの道や歩道は、素晴らしいほどに整備されているなぁ(汗)。やはり、お国柄(きめ細やかvsアバウト)の違いか…。
子供に独り歩きをさせないメリットとデメリット
子供に独り歩きや留守番などの単独行動をさせないということは、子供が事件に巻き込まれたり交通事故に遭うことを未然に防げたり、親の育児放棄から子供を守るという点で、大きなメリットがあります。
しかし、どうしても過保護になってしまうため、子供の自立が妨げられるというデメリットも大です。
私の娘は9歳半になりますが、彼女は生まれてこのかた一人で外を歩いたことなど殆どありません。家から車庫までの数メートルの道のりでさえ、独りっきりで歩いた事など無いのでは?
思えばわたくし、8歳の頃、お友達と二人きりで電車に乗って、実家のあった津田沼から「船橋ららぽーと(現ららぽーとTOKYO-BAY)」まで行ったことがあります。それをイタリア人の夫に言うと、
「イタリアでそんなことをしたら、『私を誘拐してください』と言っているようなものだ!ありえない。」
と、半分怒り気味に返されました。ま、そうでしょうね。
やはり日本は平和な国なのかしら?なんだかんだと毎年何件かは子供の誘拐・事故などのニュースを耳にするので、ものすごく平和だとは言い切れませんが、それでも平和でしょ。だって、小学生が街中を独り歩きできる先進国って、他にはなかなか無いもの。
小学生以下の携帯電話所有率が低い
こちらでは、子供が単独行動をしないのですから、当然、携帯電話を持たせる必要もありません。
ですから、店に行っても、ジュニア・キッズ向け携帯電話なるもの自体が存在しません。
携帯電話を持つのは、単独行動が多くなる中学生になってからです。
小学生の子供が持っているとしたら、それは携帯電話ではなくタブレットでしょう。
まとめ
「小学生の子供が安心して独り歩きができる平和な環境で自立することを学び、親は子の成長を適度な距離から見守りながらサポートする。」
と、こういうのが理想なのかもしれませんが、誘拐および人身売買・車の暴走などの危険(ゴゾは車の暴走くらいか)が身近だと、そうもいかないのですなぁ。パンダの親のように過保護になってしまうのが現実なのですなぁ(汗)。