12月に入り、ゴゾにもカレンダー通りの寒さが到来しました。
外を歩いている分には肌寒い程度なのですが、11/10のブログでも書いたように家の中は寒い!
今朝もこの猫腹に温められながら、うっかりウトウト眠りそうになっていたところ、一通のメールが...
残念な事にサンタンブロージョもそちらへ行く事ができなくなりました
と、書かれたメール...はてな?
送り主はミラノの知人S嬢。
彼女は、「私の周囲で唯一の”犯罪に達さないレベルでの要注意人物”」且つ、「私にマルタ移住は正解!と確信させた人物」でもあります(汗)。
ちなみに、サンタンブロージョとは、12月7日のサンタンブロージョ(ミラノの守護聖人、聖アンブロジウス)祝日のことです。
このメールによると、どうやらその日、彼女はゴゾの我が家に泊まる予定だったらしいです。
が、私はそんな話を知らされていないし(いつそんな話になった?)、知ったところで泊める気も無い。いや、いっそ、ゴゾフェリーではない違う船に乗せて、チュニジア辺りに流してしまいたい程だわ...島流し改め大陸流し。
わたくし、友人・知人に対しては、「大したおもてなしは出来ないけれど、ゆっくりしていってよ」という言葉が出て来るのが普通なのですが、彼女だけにはどうしてもこの言葉が出てきません。
ま、どちらにしろ来れなくなっちゃったみたいだからええけどね(汗)。
数々の怪伝説を残すS嬢
S嬢は、うちの旦那の友人(仕事で繋がりあり。師にならえ!の中で書いた「まいっか~師匠」です。)の奥方(イタリア人)で、弁護士をなさっています。
初めて会ったその日から、コイツは只者ではないとハッキリくっきり分かりました。
「この人はクスリでもやっているのか...じゃなきゃサイコパス?」が、S嬢の第一印象です。
私が初めてS嬢に会った日、その場にいた5人中3人が彼女とは初対面でした...にもかかわらずS嬢は、
- チョコレートを手土産に持ってきた友人に対して「私はチョコレートが嫌いなの(怒)」と、キレル。そして、そのチョコを食べる私達に向かって「信じられない、気持ち悪い」を連発。
- レストランで食事中、他者が食べている物に「まずそー」と、いちいち文句をつけ、自分の食べ物の好き嫌いについて延々と話し続ける。
- 炎天下の中、レストランから1km程はなれたジェラテリアまで皆を無理やり歩かせる→それぞれが好みのジャラートを選ぼうとしているのを遮断し、自分と同じアイスキャンディーを全員に無理やり食べさせる(別にそのアイスキャンディーがお勧め商品だったわけでもない)。
- 散々場をぶち壊したのに、帰り際には「次はいつ会う~♪」と、上機嫌。
正直、S嬢タイプの人間には、幾度と無く遭遇したことがあります(主にイタリアで)。ただ、幸いにも、そこまで自分に関わりのある人達ではなかったため、「世の中色々な人間がいるよな」という一言で済ます事が出来たのです。
が、しかし、S嬢は違います。仕事でも繋がりのある友人の奥方(というかボス、いや監視官)なので、避けられない場面がしばしば...大人の事情ってイヤだわ。
S嬢とのマルタ3泊4日ヘトヘトの旅
えー、私達一家がイタリアからマルタに移住するためには、事前に諸々の手続きをマルタで行なう必要がありました。しかも、それらの手続きの中には、S嬢の夫(即ち仕事で繋がりありの友人)と共に行なう必要のあるものも含まれていました。
本当のところ、私とS嬢の夫の2人がチャチャッとマルタに行けば済む問題だったのですが、S嬢がそんな2人旅を許すわけも無く...彼女も夫の監視役弁護士として同行することに。
私は、S嬢の夫に手助けしてもらう立場にあったので、旅費・宿泊費を負担しました。
しかし、まぁ、私に負担できる金額等たかが知れているわけで、航空券は格安のエコノミー、宿泊先はかろうじて海に面した3つ星ホテルなわけです(海側の部屋ではない)。
ホテル
友人のS嬢夫は、人が用意したホテルの部屋にケチをつける様な人間ではありません。が、S嬢は紛れも無くS嬢。3つ星ホテルの海が見えない部屋にご立腹(汗)。
立場上、「海の見える部屋を予約出来なくてすまなかった」と、S嬢に謝罪する私。が、そんな言葉は無視のS嬢、フロント係りに向かって、「ねぇ、海が見える部屋に交換してもらえないの?」と言い出した。
「海の見える部屋は料金増しになりますよ」と、フロント係。
「もちろん分かっているわよ!で、いくらなのよ?(イライラしながら)」と、S嬢。
すると、少し顔を強張らせたフロント係が、「でも、今日は満室なので...無理です」と、何だかとても不自然に言う。
その数時間後、水を買いにフロントへ行ったS嬢によると、実は海側には空室が3部屋もあったとの事(他のフロント係に聞いたらしい)。でも、追加料金が高かったので断念したらしい...(なんだよ!)。
最初のフロント係は、S嬢に「イラッ」と来たんだろうなぁ...うふ♥ 嬉しい。私の中のマルタ人高感度は上昇↑(笑)。
S嬢タイプの人間が珍しくもないイタリアでは、周囲も慣れてしまっているのか諦めてしまっているのか、皆、何も言わずに彼らを放置してしまう傾向にあります。一方のマルタでは、「そうは行かない許さない」という気合がムンムン感じられてグー!
歩いてポルトマソ・ビジネス・タワーを目指すも...
二日目の朝、必要手続きのアポ時間(11時)まで時間があったので散歩をする事に。
「ホテルのあるスリーマ(Sliema)から海沿いを歩き、マルタで唯一の高層タワー『ポルトマソ・ビジネス・タワー(Portomaso Business Tower)』へ行こうではないか!」と、はりきるS嬢夫。
スリーマからその塔のあるセント・ジュリアンズ(Saint Julian’s)に続く海沿いの道は、広い歩道と公園が続いていて、ウォーキングやジョギングには絶好の場所。この夏、アナザースカイの収録でやって来た女優の柴崎コウさんもこの歩道を歩いていたな。
30分ほど歩くと、セント・ジュリアンのスピノラ・ベイ(Spinola Bay)に到着。
S嬢がトイレに行きたいと言うので、マックで休憩する事にする。この時点で9時15分。
15分の休憩を終え、「さ、あと4分も歩けばポルトマソ・ビジネス・タワーに到着だ♪」と、海に向かって左を向く私とS嬢夫。
するとS嬢、そんな私達とは反対方向、もと来た道を歩き出すではないか( ゚д゚ )。
方向音痴なのかと思い、「違うよS、こっちだよ!」と、私。
しかし、私の言う事など聞かないS嬢は、「えっ?何。ほら、早く手続きする場所へ行かないと遅れちゃう。今ここを出発すれば余裕で大丈夫でしょ」と、スタスタ歩いて行ってしまう。
呆然とする私とS嬢夫...。
「ポルトマソ・ビジネス・タワーの麓へ行ってから、ゆっくりバスに乗って行けば良い事ではないか...夫がはりきっていたのが気に食わなかったのか??(意地悪?)。セント・ジュリアンズからタ・シュビエシュ(Ta’ Xbiex)まで歩くといったら、少なくとも4.5kmはあるじゃないか(初めての場所だったので内陸の近道を知らず、沿岸を歩くしかなかった)!私、ヒールのあるブーツを履いているんですけどっ(泣)」
そんなことを思いながらポカーンとしている私とS嬢夫の事などそっちのけ、S嬢の姿は遥か彼方に消えてしまった。マルタに来てウォーキングに目覚めてしまったのか?歩くの早っ。
この人の恐いところは絶対的に強制しようとするところ。
歩いたら靴擦れすると思ったので、「私はバスで行くね」と言えば、「ダメ!皆一緒に行かなきゃ絶対ダメ!!」と言う。「じゃ、バスで行こうよ」と言えば、「イヤ、私は歩きたい」と言う。結局、S嬢は機嫌を損ねたら何をするか分からないヤバい人なので、適当なところでこちらが折れる。それが毎回のパターン。
マップを読込み中 - しばらくお待ち下さい...
Uターン地点となったマクドナルド Mc Cafe, Saint George's Road, Saint Julian's, Malta | |
泊まっていたホテル L'Aroma, Triq il-Kbira, Sliema, Malta | |
ポルトマソ・ビジネス・タワー Vjal Portomaso, St Julian's, Malta | |
その後行かなければならなかった場所 Ta' Xbiex, Malta |
美容室でシャンプー
S嬢は、イタリア出発時からず~~っと「シャンプーが!シャンプーが!!」と騒いでいました。
そのくせ、「私のシャンプー貸そうか?あ、あそこにシャンプーが売っているよー」と、こちらから言うと、うんともすんとも言わないS嬢...。
諸々の手続きを済ませ、「さ、ホテルに帰るか...」とその時、S嬢が、「私、美容室でシャンプーしてもらってくるから、2人共先に行っていて!」と、近くにあった美容室へと入っていく。二時間の内に三度その美容室の前を通り過ぎ、一度として客を見なかった暇そうな美容室...。
ふーん、シャンプーって美容室でやってもらうんだ。そういう事か。
S嬢もいないことだし、バスで帰りましょう♪と、バス停に向かう私とS嬢夫。
すると、「まってぇ~!!」後ろの方からS嬢の叫び声...。
「お店の人に『今日は予約で一杯だから出来ない。帰れ!』と言われた(怒)」と、S嬢。
一体どんな態度で店に入ったんだ?
「帰れ!」と言われたらからには、お店の人の頭がおかしいか、S嬢が(また)失礼な態度をとったかのどちらかでしょう。うーん、S嬢の前科が多すぎるせいで、どうしても後者のせいとしか思えない。そうだとしたら、お店の人に拍手♪
それにしても、S嬢夫、この奥さんの素行の悪さをどう思っているのか?もう、諦めているのであろうか?
なんか、この人達って、大草原の小さな家の商店経営オルソン夫妻(静かな旦那さんに見栄っ張りで意地悪な奥さん)みたい。
S嬢に厳しいマルタ人とならば生活できる
S嬢とマルタに滞在して感じた事。
「マルタの人は親切だけど、無礼な人のことは容赦なく斬る!」
今迄、イタリアで不当に許され続けてきたS嬢の斬られっぷりは凄かった(ほんとスッキリした)。
「S嬢との旅は金輪際ごめん」とは思うものの、万が一、他の外国に移住しなければならない事になったら、その場所の民度を探るべくS嬢との短期滞在を試みます。現地の人がS嬢に厳しい態度をとったら、そこは私が生活できる場所ということです。