11月に入り、街にはクリスマス商品が並ぶようになりました。ゴゾの気温もだいぶ秋らしくなってきましたが(本日の気温:日中22℃/夜21℃)、今だ半袖着用の日々を過ごしております。
海水浴には寒い気温だと思いますが(北国からの観光客は泳いでいるけれど)、日中にポリウレタン入りのスキ二ージーンズを履いたりすると、道端で「暑い!綿100%にするんだった!」と、後悔してしまう体感温度です。
と、まぁ、わたくし、「11月だけど半袖が着れるのよ♪」と、ここ3年連続で自慢している為(長年、寒い北国で生活していたから許して)、それを聞いた方々は、「へー、ゴゾって沖縄に似た気候なんだー」と、思ってしまうらしいのですが、いんや、それは誤解。
じゃあ、どんな気候なのかしら?
ザ・地中海性気候の島
地中海のど真ん中にあるマルタ共和国の気候は、「地中海性気候」の典型。
この地中海性気候の特徴をざっくり言うと、
- 夏は日差しが強く乾燥し、冬になると一定量の雨が降る。
- 土壌は石灰岩の風化によって出来た赤土が多く、乾燥に強いオリーブや柑橘類の栽培に向いている。
- 一年を通して温暖。しかし、熱帯気候(一年を通しての月間平均気温が18℃以上)ほど気温は高くない。
もー、マルタ・ゴゾの気候そのものですね。建物だってライムストーン(石灰岩)ですし、近所のラムラ湾の砂浜だって赤砂ですよ。
では、ザ・地中海ゴゾの四季は、どの様に変化して行くのでしょう(あくまでも平均的に)。
春~輝かしい割には寒い
ゴゾの3月から5月は、兎に角キラッキラッ輝いています。
一年で最も海が透き通り、陸が花と緑で溢れる季節です。ゴゾの瑞々しい美しさを堪能したければ、春!絶対春!!何だろう...島や海から何ともいえないキラキラオーラが吹き出ているの。
また、日差しが強い割には、気温が高くないのも特徴です。
写真や映像で見ると、「きっと、3月には泳げるのかな?」と、感じてしまう輝きなのですが、なんと3月の平均気温は12月と同じく14℃(海水16℃)。上着が必要な温度です。とてもじゃありませんが水着で泳ぐ事は出来ません(中には泳いでいる人もいますが:汗)。そして、その後も5月位までは気温17℃~23℃(海水17~19℃)位の日々が続くので、春に海水浴はちょっとムリがあるでしょう(一部の超人か異常気象を除いて)。
日中の服装は、日光の下ならば半袖でもOKですが、日陰はひんやりするので、ストールやカーディガンがあると便利です。そして、夜は、ジャケットかスプリングコートを這おった方が良いでしょう。
まー、この位涼しい方が、ウォーキングや観光名所巡りをし易いと思います。真夏の日中にウォーキングをしたら、真っ赤に日焼けして熱中症になってしまいますからねぇ。ゴゾの太陽を侮ってはいけません。
夏~太陽サンサン雨が降らない
6月に入ると日中の気温が23℃~28℃位(海水22~26℃)に上昇し、超人以外も海水浴が楽しめる様になります。6月の海水はやや冷たいのですが、観光シーズン本番前(本番は7~8月)とあり、春の海水の輝きが残っています。そして、この頃からパタッと雨が降らなくなるのもゴゾ夏の大きな特徴です。パタッと降らなくなったら2ヶ月は降りません。あまりに降らないので、傘に埃が被ってしまう程(汗)。
2ヶ月以上も雨が降らずにカンカン照りなわけですから、大地の草木や南国の花ハイビスカスさえも焼けて茶色になってしまいます。そして、それに反比例する様に、ゴゾのシンボルウチワサボテン(オプンティア)は実りを増していきます。この赤茶の大地とウチワサボテンが広がる光景は、ディスカバリーチャンネルもしくはナショナルジオグラフィックに出てきそうな程に壮大でグッときます。
7月~8月になると、日中の気温は28~31℃位にまで上昇、猛暑だと35℃以上にもなります。猛暑であった今年は、あまりの暑さに内臓が煮えたぎっている様な感覚に陥りました。乾燥しているはずなのに、自分の汗で湿気を感じる暑さ...実際の気温は37℃位でしたが、体感温度は42℃と言われてましたからねぇ( ゚д゚ )。普段あまりクーラーを使いたがらない私が、朝食の時間からクーラーのスイッチを入れました。乾燥しているので、扇風機があれば十分涼しくなるはずなのに、、、いやいや今年の夏は暑かった(汗)。
そして、兎に角、ゴゾの夏の太陽は強烈です。長時間を炎天下で過ごす事はとても危険です。私も、お昼前後に外出する時はUVクリームを塗りたくり、サングラス・帽子・ストール装着で出かけます。なるべく日陰の道を選んで通ることも大事です。本当はですね、日本の様に日傘を差せれば良いのですが、差している人がいないから目立っちゃうのよねぇ(ただでさえ目立つのに)。あ、でも、お土産屋さんに行くと、ゴゾレースの日傘を買うことが出来るので、どうしても...という方はお土産がてらにいかがでしょう♪
因みに、「危険な太陽は避けるべし!」が心得のゴゾ民がビーチへ行く時間は、夕方の5時以降です。適度な日光浴と温かい海水を求めるのならば、夕方がベストです。13年もの間、日焼けがステータスのイタリア人達を脇目に生活してきたので、この健康的なゴゾ民の心得に好感が持てます。地理的にはこんなに近いのに、全然違うのよねぇ...。
まぁ、どうしても朝から晩までビーチで過ごさないとイヤッという方は、貸しパラソルで直射日光を避けるという方法はどうでしょう?10ユーロもあればお釣りが帰ってくると思うので、ケチらずに借りましょう。そして、どうしても炎天下の中泳がないと気が済まないと言うのならば、布の面積の少ないビキニで泳ぐことは避け、長袖のUVカットスイムウェアーや帽子着用が良いのでは?毎年、まっ赤っかに火傷している人達を見ると心配になるのよぉ~、オバちゃんは(-_-)。
ゴゾの夏の服装は言うまでも無く夏服ですが、7月の上旬までの夜は肌寒いことがあるので、薄手のカーディガンが一枚あると便利だと思います。8月は朝夕問わずに暑いので、薄手のカーディガンも不要。ジーンズをはくと、窒息しそうになる暑さです。
秋~春より暑く降水量が増え始める
9月に入ると雨が降り始めます。とはいっても、毎日じめじめと降り続けるのではなく、大抵の場合が短期集中型豪雨です。一年で一番降水量の多い12月でさえも、長々とパラつく雨は珍しいのではないでしょうか。
雨が降る時は物凄い量の雨が降る為、道路が川と化することもあります(で、なぜかあっという間に水がはける)。集中豪雨は夜中にやって来る事が多いのですが、日中に集中豪雨がやって来たら、無理せず室内待機です。安全第一です。
豪雨による土壌への水分補給の甲斐あってか、真夏に枯れてしまったハイビスカスやブーゲンビリアの花が再び咲き始めるのもこの時期です。
さて、気温はというと、9月~10月の中旬頃までの気温は30℃~25度位で、まだまだ海水浴の出来る気温です。ただ、9月の中旬あたりに蒸し暑さが来るため、それにやられたゴゾの人達がやたらと短気なってしまう(汗)。
そして、11月に入ると、日中の気温が20度前後まで下がります。日光の下では半袖でも平気ですが、日陰はヒンヤリとしてきます。夜は更に2~3℃が下がる為、カーディガンを羽織り、毛布をかけて寝る様になります。
冬~湿度のある10℃前後の寒さ
秋に復活したハイビスカスが枯れずに冬を越せる為、映像や写真で見ると「暑いの?いや、暖かいのかな?」と思われがちなゴゾの冬。
確かに、氷が張ったり雪が降る事はありませんが、常夏の島とは違います。
12月の平均最高/最低気温は17℃/11℃、1月の平均最高/最低気温は15℃/9℃、2月の平均最高/最低気温は16℃/9℃と、比較的温暖ではありますが、風向きによって体感温度が全く違います。
北風が吹くと、正直「とても寒い…」と感じますが、実際の気温は体が感じるほど低くありません。そんな日は、風が入ってこないフード付きアノラックを着ると防寒効果が高いと思います。
一方、南風の日は、上着どころか長袖Tシャツ一枚でも汗ばむことがあります。まぁ、アフリカから吹いてくる風だもんね。
しかし、冬の間、絶対に寒い場所もあります。
家の中です。
ゴゾの家は、外部の湿気を簡単に吸い込むライムストーンで建てられている為、冬の室内は湿気と寒気で充満してしまいます。その上、セントラルヒーティングが設置されていないため、カビは生えるわヒンヤリするわ...家の中より外の方がよっぽど暖かい(汗)。実際、家の中での方が厚着でモコモコですからね。
では、セントラルヒーティング無しのゴゾ住宅で使われる冬の機具は何か?
LPガスストーブと除湿機です。
日本の冬は加湿器が出回りますが、ゴゾの冬は除湿機です。
この2つがあれば、部屋の中(一部屋)をかなりさっぱりポカポカに出来ます。が、やはり、セントラルヒーティングや床暖房の味を占めてしまうとねぇ、トイレ・廊下・キッチンが寒いのが辛いんだなぁ(セントラルヒーティングがあるからといってミラノに戻りたいわけでは無いです)。
まとめ
もう、簡潔に言いましょう。ゴゾ(マルタ)の気候の軸は、
- 一日の最高/最低気温の差が非常に少なく気温の流れが緩やか。
- 一年を通して「寒い→暖かい→暑い→涼しい→寒い」の、気温の流れが緩やか。
と、この緩やかさでしょ。
寒くなったらなかなか暑くならず、暑くなったらなかなか寒くならない...なんだか保冷保温ボックスのよう。保冷→春、保温→秋...。
[…] ですよ~!まぁ、秋は雨の季節という観光には致命的な大問題もあるのですが(汗)。 […]