昨日、シエナで買いすっかり忘れていた観光ガイド(一応、日本語版)をなんとなく読んでみた。そして、思わず「そうだったのね~!!」と叫んでしまった。
何 がそうだったのかと言うと、大聖堂(DUOMO)なんです。私が今まで大聖堂の裏口と思っていたのは、礼拝堂入り口だった のです。大聖堂の背後に洗礼堂がくっついているのですね。中に入らなかったので知りませんでした。
で、この大聖堂は完成していないというのですが、右の写真(大聖堂のファサ-ド〈正面〉)は完成しているような・・・。で、なぜ完成していないのかというと、話が長くなります。
も ともと9世紀頃には、現大聖堂の位置に小規模な大聖堂なるものがあったらしいです。で、その位置にもっと立派な大聖堂を造ろうということになり、現大聖堂 の原型ができたようです。しかし、構築途中でいろいろうまく行かないこと(技術面など)が出てきたため、一層の事、新しいファサ-ドを違う位置に造っちゃ おう!ということになったのです。しかも、もっと大規模で派手なやつをっ!!と。こうして、14世紀の初期ごろから、この新ファサ-ド計画の着工が始まっ たのでした。
し かし、新ファサ-ドの着工開始後しばらくすると、街はペストの流行に襲われ、住民の2/3が亡くなってしまいました。そのため、新ファサ-ドを構築してい くために十分な人手も無くなってしまったのです。結局、新ファサ-ド計画は未完に終わり、住民の関心は既に形となっているファサ-ド(現ファサ-ド)へと 向いたのでした。こうして、再び手入れを施された後、今の大聖堂の形にとどまったということです。写真左は未完に終わったファサ-ドです。
この未完に終わったファサ-ドの位置ですが、どう説明すれば良いのかしら・・・・。現大聖堂の側面、鐘楼(鐘つき塔)のやや後部あたりから90度に曲がった延長線にあります。説明できたかしら?
とにかく、この未完ファサ-ドからは、シエナの繁栄と挫折をドラマチックに感じられるのです。次回シエナへ行く時は、ちゃんと大聖堂の中も見ないといけないな。歴史を知れば知るほど、観光も楽しくなるなぁ。