先日、ゴゾはヴィクトリアのイタリアンカフェにて、友人達と寿司を食べてきました。
「ついに、ヴィクトリアで寿司を食べる日が来たか...しかもイタリアン・カフェで。」と、感慨深く思っていましたが、
家に帰ってから、何気にネット検索をしていたら、ヴィクトリアで寿司を食べる以上に「 へー。」とか「ほほう。」を繰り返してしまう事実を発見!
日本でもファランギーナが買える!
ファランギーナとは何?
ファランギーナfalanghinaとは、イタリアのカンパニア州(ナポリのある州)周辺で生産されている白ぶどうの品種及びその葡萄から造った白ワインの名称です。
生産量が最も多いべネヴェント県周辺には、ファランギーナ種栽培が何世紀にも渡って続いているワイン畑も多く存在します。
ちなみに、べネヴェントには、私が愛するトローニ・バーチToroni Baciの工場もあります♪
ワインの特徴
ファランギーナ・ワインの特徴は、ふわっと広がるフルーツの甘い香り(ラムネっぽい)に、ほのかな酸味と塩?ミネラル感。ほろ苦さがありながらもすっきりクリアー。そして、微かに感じる舌のビリビリ...私にワインの説明は無理だなぁ(笑)。
ヴィーノ・ビアンコ・セッコVino Bianco Secco(辛口白ワイン)とされていますが、果実の香りが豊かな為、程よく甘さを感じるマイルドなワインです。
とにかく、ナポリピッツァ、ムール貝のスープ、ボンゴレ・ビアンコ、水牛のモッツァレッラなどのナポリの食、特に、家庭料理との相性が抜群。
そして、なんとも嬉しい低価格。どんなに高いものでも30ユーロは超えないでしょう。イタリア国内でのファランギーナの値段は5~10ユーロ(現在1ユーロ約127円)が一般的で、日本のオンラインショップでも1000円代から売られています。
例えば、ベネヴェンターノ・ファランギーナ・ヴェゼーヴォI.G.T Beneventano FalanghinaVESEVOが楽天で1360円。
このワイン、ゴゾで見たことがないので(あるのかもしれないけれど)うらやましい。私が買いたい。
10数年前まではミラノでもレアなワインだった
このファランギーナ、今だからインターネットでお取り寄せが出来るようになりましたが、10数年前くらいまでは、ミラノでさえも殆ど目にする事の無いワインでした。
それが今では、遠い日本でも買える...しかもネットで(遠い目)。
ナポリ出身の我お舅さんは、ミラノに来てから何十年もの間、里帰りをする度に、ミラノでは手に入らない食料品とファランギーナのまとめ買いがお決まりであったと言います。
【お舅さんのまとめ買いリスト】
- パーネ・カフォーネ Pane cafone
ナポリの田舎パン。表面は非常に硬く(歯が割れる!)中はもっちり。噛めばかむほど味が出るパン。 - モッツァレッラ・ディ・ブッファラ Mozzarella di bufala
水牛のモッツァレッラ。 - メラ・アヌルカMela Annurca
カンパニア州周辺で栽培されるりんご。とても濃厚で美味しい。 - ファランギーナFalanghina
この写真のもの。べネベント県のソロパカ市のCantina di Solopacaが生産しているファランギーナで、一本約5ユーロと安価。今のところ、日本で販売されているかは不明ですが、超コストパフォーマンスの良い一本!
これらの品を車いっぱいに詰めて、ナポリ~ミラノ(12時間以上)の長旅をしたそうです。
ここ10年は、パーネ・カフォーネ以外のどれもがミラノのスーパーでも手に入るようになりましたが、ナポリ人のお舅さんにしてみれば、「ちょっと違う!そ して、値段も高すぎる!!」という物が多いらしく、今だ出来る限りナポリからお取り寄せをしている模様。
確かに、「水牛のモッツァレッラは冷蔵保存 してはいけない!」というナポリの掟が守られていないミラノのスーパーは多いと思う。ナポリ人は、そういうところが気になっちゃうんだろうなぁ。ミラノで消しゴムのように硬い真空パックの豆腐(高野豆腐じゃないよ)を見つけてしまった時の私の心境の様なものかしら?
と、話がお舅さんのナポリ食まとめ買いの方向へとズンズン進んでしまいましたが(汗)...
兎に角ですね、旦那さんの実家には「ナポリの食料とファランギーナ」が常備されているのです。ですから、わたくしも何かとそのファランギーナを飲む機会が多く、気が付いたらすっかりファランギーナの虜に♪
披露宴にもファランギーナ
彼これ12年前の話ですが、わたくし、自分の結婚披露宴(食事会)を、
- モンツァ近郊のアグリトゥーリズモ
- ソレントのレストラン(旦那さんの親戚と共に)
- 日本の和食屋(私の親戚と共に)
の3箇所にて行いました。
モンツァとソレントでは、日本の友人達に着物の着付けまでして頂き、本当にお世話になりました♪
で、ですね、カンパニア州にあるソレントのレストランでは、迷うことなくファランギーナをお願いしました。ファランギーナを出したいから魚メニューにしてもらった様なものです。
食事会後、このワインを気に入った日本の友人が「お土産にこのワインを買って行きたい!」と言いだした事が、私と舅の密かな誇り(笑)。
カンパニア州で造られているその他のワイン
わたくしは「ファランギーナ!ファランギーナ!!」騒いでおりますが、カンパニア州にはファランギーナの他にも、いや、「ファランギーナよりも上」と見なされているワインがいくつかあります。
- 白ワイン:グレコ・ディ・トゥーフォGreco di Tufo
トゥーフォ(凝灰岩)が含まれた土壌で栽培されたグレコ種の葡萄から造られる、フルーティーで微かにアーモンドの香りがするミネラル豊富な辛口白ワイン。 - 白ワイン:フィアーノ・ディ・アヴェッリーノFiano di Avellino
ミネラル豊富な土地で栽培されたフィアーノ種の葡萄から造る、果実、花、ナッツの香りのする濃厚な辛口白ワイン。白にしては、長期間の熟成に耐えられるのも特徴。 - 赤ワイン:タウラージTauragi
内陸部の標高が高く涼しい地域で栽培されたアリアーニコ種の葡萄から造られる赤ワイン。フルーティーで酸とタンニンが多い気品のある味が特徴。
この3種は、どれも最高格のDOCGに昇格しているワインです。
イタリアワインの認定格は、上からDOCG-DOC-IGT-Vdt(詳しくはこちら→イタリアワイン・チーズの認定証について)という順になっているということもあり、IGTのファランギーナは、なにかと下に見られがち...美味しいと思うんだけどなぁ。ワイン通の人には物足りないのかなぁ。
ま、とりあえず、値段の割には美味しいワインなのでお試しあれ!