って、「マルタの言語というのは分かるとしてTomorrowとNextってなによ?」なタイトルですが、日々このトゥモロー「明日」とネクスト「次」にやられっぱなしなので書くことにしました。
まぁ焦らず、まずはマルタの公用語について。
マルタで使われている言語
マルタの公用語は、国語のマルタ語と英語です。
初めてマルタを訪れた時、わたくし、「英語が母語で、マルタ語は国語を保存するために公用語とされている方言のような言語。」なのだと思っていました。
アイルランド国民の大半が英語が母語で、アイルランド語話者は41%みたいな感じかと…。
しかし、実際は、「マルタ語が母語で英語も話せるよ。」という環境なのでした。
ポリシーを持って家庭内でも英語のみで会話をする”ちょっとハイソな”マルタ人家族や、仕事中はほぼ英語で生活しているマルタ人もいるとは思いますが、「マルタ人同士の会話はマルタ語にて」が基本だと思います。
ですから、初めてマルタを訪れた方は、マルタ語ばかりが聞こえてくる環境に入り
「おや、英語で通じるのか?」
と、一瞬不安になるかもしれません。
しかし、ご安心を!英語を公用語と言い切るだけあり、皆さん英語も話せます。
確かに、レベルには個人差があります。
が、「私は、普段ほとんど英語で話さないから英語が苦手!」というおばちゃんでさえ、日常会話レベルは普通にOK。
苦手と言う割には、英語でベラベラおしゃべりできます。
まぁ、マルタは、公用語でもないイタリア語(その昔は公用語であった時期もあり)も、イタリアのテレビを見ているという理由で「あまり話せないけれど完全に理解できる。」という人だらけ。
特に、イタリアのサッカーの話題になると、テレビのスポーツキャスターも、スポーツバーにいるおにいちゃん達も、み~んなイタリア語にシフトチェンジ。突然、会話全部がイタリア語に変るのです。
初めてこの光景を見た時は驚きましたが、もう慣れっこです♪
二ヶ国語表示されているわけでもない
と、まあ、マルタはバイリンガル国家なのですが、道路標識や広告など、街中で目にする物はどのように表示されているのでしょうか。
バイリンガル国家なのであれば、「標識や看板は、英語とマルタ語の二ヶ国語で表示されている。」なーんて思うでしょう。
ところがどっこい!
「ごちゃ雑ぜ(笑)。」
あっちは英語、こっちはマルタ語…そんな感じです。
さすがに交通・観光関係の標識は英語で表示されていますが、いちいち二ヶ国語でなど記してありません。
全ての人に理解してもらいたい事は、英語で記すという感じでしょうか。
では、マルタ語のみの表示は主にどういった所にあるのかというと、ずばり教会です。
以前、教会の壁に「BBQ~(以下マルタ語)」の看板が掲げてあり、私の乏しいマルタ語能力で訳してみたところ「Ġimgħa(金曜日)に18ユーロ(だったか?)でバーべキューが食べれるよ!」ということだと解釈したのですが、いかんせん乏しい能力…「要予約」の解釈がすっぽり抜けていた…。結局、バーべキューにはありつけない始末(泣)。
そして、もう英語でもマルタ語でも何語でも何でもあれなのが、商品の表示。
マルタのスーパーに行くと、色々な国からの輸入品が売られています。
主にイタリアやUKから輸入された商品が多いのですが、その他にもEU各国・アラビア諸国から輸入された商品が売られています。
日本でも輸入食品が売られていると思いますが、日本語表示がされていない商品には「日本語表示のシール」が貼られていますよね。
恐らく、そうしないと販売できないのだと思います。
しかし、マルタは違います。英語表示シールが貼られていることもありますが、殆どの場合はオリジナル表示のみでの販売なのです!
それはどういうことかと言うと、例えば
「ギリシャ語で表示されたギリシャ国内向け商品を、英語・マルタ語表示一切無しの状態で売る。」
と言うことです。
ギリシャ語が理解できない人には、商品名・成分どころか、「これはギリシャ文字?それともロシア文字??」の状態で売られているのです。
こういう時に救いになるのが数字。数字が読めれば賞味期限や分量だけは理解できます。
わたくし、一応イタリア語は理解できるので、イタリアの商品(もちろんイタリア語表示のみ)が多いマルタのスーパーでも差ほど問題なくやっていけるのですが...
先日、「茹でずにそのままオーブンで焼ける乾燥ラザニア」を探していて、イタリアのメーカーのもの二品を手に取りました。
が、どちらもイタリアのメーカーなのに、一方はフランスとドイツ語表示で、もう一方はスペイン語表示と、どこにもイタリア語が書かれていない…。
ただ、どちらにも「OVEN READY」というマークが小さく入っていたので、辛うじて「そのままオーブンで焼ける」ということが分かりました。
そして、この英語・マルタ語表示無しは、スーパーの商品にとどまらず、なんとお薬も!
食品ならまだしも(いや、微妙だろ…)、薬品関係はちょっと心配になります。さすがに、強いお薬には表示シールが貼られていたり、もしくは薬剤師さんが処方の仕方等をレクチャーしてくれるとは思いますが、軽い風邪薬やビタミン剤はオリジナル表示のままポッーンと売られております。
コレにはさすがの私も行き過ぎを感じているのですが…「なに?理解できない?自分で調べろや!」ということなのでしょうねぇ。
今の時代はオンライン翻訳も充実しているから良いとして、昔はどうしていたのだろう…?
確かに語学に長けている人が多い国だけど、だからってねぇ。
全部イタリア語表示のみ。
PROPOLIプロポリス、Calve’ Classica カルヴェ・クラッシカというマヨネーズ
RIO mare Tonno リオ・マーレのツナ缶
*
紛らわしい英語の使い方
マルタを旅しなくても、マルタで生活しなくても、前項を読むだけで、なんとなーくマルタのお国柄を理解していただけたと思います。
やはりね、お国柄や文化は言語に表れるのですよ。
マルタ語はちんぷんかんぷんなので何とも言えませんが、英語の言葉で気になるものがちらほら。
学校の手紙や連絡事項に書かれているNextの意味がわからん!
こんな風に書かれても「はぁ?」ですね。
それくらい、毎回Nextには「はぁ・・・・・・・・・?」とさせられているわけですよ。
地元の小学校に通っている娘が、学校で渡される連絡事項のお手紙。
マルタ語のみの時がある(娘が翻訳してくれる)、英語のみの時がある、二ヶ国語で書かれている時がある…なんていう事はどうでも良いことであって、
問題は、英語の文中に”Next”という文字が使われる時。
Next week やNex monthは問題が無いとして、Netx Fridayなどの曜日が問題。
で、こう書くと「来週の金曜日がどうした?」と、思いますよね?
私も「来週の金曜日」と解釈します。イギリス人の友人もそう解釈します。
が、この手紙を書いた先生は、「今週の金曜日」という意味で書いておるのですよ!
手紙を書いたのが火曜日~水曜日ならば大抵の場合「今週の金曜日」を意味しています。
しかし、今週の金曜日であったら「This Friday」と書くべきじゃないの。もしくは「on Friday of this week」とかさぁ。
しかも、この「Next曜日」が登場する時は決まって、遠足などの行事が行われるという重要連絡事項。
この変な「Next曜日」の使い方をする先生が一人なら良いが、知っているだけでも三人はいる。
私も、マルタ人全員が「Netx Fridayは今週の金曜日」こういう使い方をするのならば、「マルタではこういう言い方をするのだね。」で納得していたであろう。
が、「Netx Fridayは来週の金曜日」と、ちゃんと言うマルタ人もいるからややこしくなるのよね…。
もう、お願いだから日にちで書いて!
やはり、ここでも数字は便利。数字で分かるのは賞味期限や分量だけではない。
Tomorrowがやって来ない
「なに言っちゃってるの?明日は朝になればやってくるよ。」
確かにね、私もそう思っていました。
しかし、マルタ…いやゴゾのTomorrowは、今日が16日で明日が17日で…の明日の意味では使われないことがしばしば…。
なんかねぇ、もっとこうドラマチックというか詩的というか「未来的」な意味で使われるのよね…今、私、とても遠い目をしています。
未来的な明日?
「明日に羽ばたけ!未来に羽ばたけ!!」みたいな?
なら良いのですが、
私:「いつこのトイレを直しに来てくれます?」
修理工:「Tomorrow(明日行くよ→未来に行くよ→そのうち行くよ→未定)。」
こんな感じです。
また、修理工が次の日来なかったからといって怒っても無駄です。
怒るようなものなら「何だよ、器の小さい人間だなぁ。チッ。」と、あしらわれる事間違いなしです。
いい加減大らかな人間は、せかせか細かい人間が嫌いなので注意しましょう。
そして、今までの経験上、明日も曜日も当てになりません。辛うじて確率が高いのが日にちです。
「20日の月曜日、朝の8時に行きます。」と、言った場合は、十中八九来ます。
やはり、数字は素晴らしい!
こんなことを書いている今も、イースタ直前に故障した車の修理をまだかまだかと待っている最中。
イースター休暇を挟んでしまったから仕方が無いとは思う。が、修理工から「明日」という言葉をすでに5回は聞いた。
昨日やっと「木曜日に…」と曜日を口に出したので、あともう一押しで数字を口に出すかも?数字といっても日にちではなく料金の方かも知れないけれど。
ってもう、「先払いでもいいから早く直せよ!」←コレが本心。
3ヶ月前に頼んだトイレ修理も「明日」と言ったまま未だに来ない…これはもう忘れちゃったんだろうな。
もう、待つのが面倒なので、自分でパーツを買って修理しようかと思う今日この頃。
考えてみれば、去年の夏、バルコニーにトラックが突っ込んだ時も、「明日修理する~日曜日修理する~来週…..」…結局、修理に来たのは20日後ぐらいだったような。
私も歳をとって丸くなったのか、こういう事態に慣れてしまったのか、諦めが早くなったのか、どうでもよくなったのか…まぁこの全部とその他諸々をひっくるめてなのでしょうが、本当に怒らなくなったなぁと思うわ。
つい最近、シャワー事件という、イギリスで生活していた頃のエピソードを読み返して「私、何でそんなで怒ってんの?」と、怒っている自分の気持ちが全く理解できませんでしたから。
怒らないことが自己防衛になっているのかもしれないなぁ。
いや、以前の私が怒りっぽかったのかもしれない。
あーもう、自分の事なんて分からないものねぇ。