外国生活を続ける上で、無視したくても無視できない物の一つに、滞在許可証があると思います。
わたくしも例外ではなく、今までに住んだどの国においても「滞在許可証」を持って、滞在を許されてきました。
この滞在許可証の話をすると、
「えっ!?あなたはイタリア人と結婚しているからイタリア国籍も持っているのかと思っていた。」
と、言われることがあるのですが、いえいえ日本国籍オンリーですよ。日本のパスポートのみ所持しています。
今の日本の法律では、22歳以上の日本国籍を有する者が後から自分の意思で外国籍を取得した場合、日本国籍は抹消されるらしいですし(出生による二重国籍はちょっと別)。そもそも、結婚するだけでは国籍なんてもらえませんし(汗)。
ヴィザと滞在許可証
この、外国で生活する上でとても重要となる滞在許可証(日本では在留資格)ですが、なぜか「ヴィザ」と混同される方が多いようです。
どちらも外国で長期に渡って生活するには無くてはならないものですが、微妙~に別物なのです。少なくとも、イタリアやマルタでは別物ですよ。
ヴィザ(査証)とは?
簡単に言ってしまうと、ヴィザは自国を出国する前に渡航目的国の領事館にて申請・取得するものです。
留学でも就労でも長期滞在目的で始めてその国に入国する場合は、既に目的に合わせたヴィザを取得していることがマストになります。
ただし、ヴィザは入国を確実に保証してくれるものではなく、あなたの入国許可を推奨してくる「領事館からの推薦証」のようなものです。ま、かなり強力な推薦証なので、大体の場合は許可が下りるものかと…。
滞在許可証とは?
滞在許可証は、入国後、ヴィザもしくはそれに代わる何らかの証明書類と各必要書類と共に申請し、審査を受けて取得するものです。
例外として、入国時の空港審査にて6か月までの滞在許可(ヴィザ無し)発行が可能なイギリスのような国もありますが、基本は、ヴィザを持って入国→滞在許可証の申請という流れになると思います。
ヴィザは自国を出国する前に、滞在許可は目的国入国後に申請~取得するものです。
よく、「ヴィザが切れてしまう…。」という言葉をドラマ等で聞くのですが、正確には「(ヴィザに基づいた)滞在許可期間が切れてしまう。」ですね。
とにかく、この滞在許可証無しでヴィザ免除期間以上滞在していたら、不法滞在となりますので要注意!
私のヴィザ・滞在許可申請歴
わたくし、ここ15年ほど外国生活を続けておりますが、実は日本でヴィザを申請したのは一度だけです。しかもそれは、6ヶ月有効の学生ヴィザでした。
最初のヴィザと滞在許可
イタリア入国前に、駐日イタリア領事館にて学生ヴィザを発行してもらい(もちろん、事前にイタリア語学校の申し込みもしました。)、それを持ってイタリアへ入国。
入国後8日以内に居住地一帯を管轄するQUESTURA クエストゥーラ(中央警察署)にて滞在許可の申請を行い、就学滞在許可証を発行してもらいました。
2回目~4回目までは就労滞在許可
2回目の申請は、初回に発行してもらった滞在許可期間が切れる迄にミラノのイタリア労働局で労働許可を取り、仕事の契約諸々を持って、就労滞在許可証にチェンジ(最初に取った就学滞在許可証は、就労への変更が可能なタイプだった)。その後2回程、期限切れに伴う更新をしました。
5回目は家族滞在許可
この時点で既にイタリア人の夫と結婚をしていたので、めちゃくちゃラクちんな家族滞在許可証に変更♪
6回目は無期限の滞在許可
イタリアにヴィザ入国してから10年後の2010年の8月、ついに無期限の滞在許可証(ペルメッソ・ディ・ソッジョルノUE)を取得!あ、無期限と言っても国籍ではありませんからね。いつまでも滞在してよいけれど(幾つかの条件付きで)、選挙権は無いよ…というものです。
私がこの長期滞在許可証(無期限)を申請した時に必要だったものは、諸々の書類のみでした。
が、しかし、同年12月からは、イタリア語のテストに合格しないと申請が出来ないという、とっても面倒な事態にチェンジ(驚)。
しかも、そのテストとは、受験者40人中10人位しか受からない様なものらしい...。
まぁ、合格者人数に制限があるのならば「オー、難しいんだなぁ…」と言いたいところですが、もしかしたら受験者のイタリア語レベルが低いだけなのかもしれないし…前者か後者か分からない限り、テストの難度は謎です。
とにかく、テスト無しで長期滞在許可証(無期限)を取れてラッキーだったわ♪。
近頃は、「イタリア人と結婚していないと取得出来ないに等しい。」とまで囁かれている、この長期滞在許可証(無期限)。
何でこんなに貴重なものになってしまったかと言うと、やはり第一に、イタリア国内の移民の数が爆発的に増えてしまったからでしょう。
そして、何よりもの魅力はコレでしょう…
長期滞在許可証(無期限)の価値
なんと、この長期滞在許可証「PERMESSO DI SOGGIORNO UE ペルメッソ・ディ・ソッジョルノUE」というものには、イタリア国内に限らず、EU加盟国内での滞在と労働も許可してしまう(ハズ)という特典がついているのです。
これはオイシイ!
しかしまぁ、実際のところ、EU各国に何もしないで滞在できるのは90日間で、それ以上の滞在目的の場合は、その国々で改めて滞在許可を取る必要がある場合がほとんどです。
ただし、長期滞在許可証(無期限)を所持していれば、入国前にヴィザを申請する必要が無い。
…やはりオイシイかも。
私はこの特典を活用できているのか?
確かに、マルタで滞在許可証の申請をした時、ヴィザの必要はありませんでした。
しかし、イタリア発行の長期滞在許可証(EU)を所持していたからなのか、夫がEU国籍者だからなのか?…イマイチはっきりとしない状況でした。
イタリア発行の長期滞在許可証(無期限)も提示しましたが、「あ、それは関係ないから…」とまで言われ、「何より大事なのは結婚証明証」と、念を押されました。う~ん、結婚の威力は凄い。たしか、グリーンカードを取るために偽装結婚を試みる!なんていう映画もありましたよねぇ…。
マルタでの労働許可も、EU加盟国籍者の家族という理由で、申請する必要が無かったわけだし。
う~ん、イタリアで発行してもらった長期滞在許可証(無期限)の威力をイマイチ実感出来ていないなぁ…。