ゴゾはヴィクトリアのランドマークである城塞「チッタデッラ Cittadella」
チッタデッラは、世界遺産候補にもリストされている(1998年~)、マルタを代表する歴史的建造物の一つです。
城塞内部には、ゴゾ島とコミノ島の教区長である司教がいるゴゾの大聖堂を始め、博物館や裁判所があり、上部からはゴゾ島を360度見渡すことができます。
現在目にするチッタデッラの姿は、中世からの形を残す北部と17世紀に再建された南部で構成されたものですが、居住地としての歴史は、青銅器時代にまで遡ります。
ここ1~2年、城塞入口周辺の修復工事が行われていたのですが、今年の6月に工事が完了→落成式が行われました(私の知らないうちに)。
私が工事完了を知ったのは、7月下旬に入ってからの事。日本から来た友人とゴゾ巡りをしていた時でした。
修復後の表面的な部分にショックを受ける
まず、手前の坂で違和感。
むぅぅぅぅう。
何もわたくし、アレッシィ風の手すりそのもののデザインに唸っているわけではありません。
なぜ、この、京都でいえば一念坂・二年坂であるべき場所に「コレ?」と言っているのです。
折角、石畳を敷いたのに…、手すりが変に目立ちすぎ。
そして、坂を上りきること…
と、その前に、修復以前の姿を見ておきましょう。
そしてこちらが修復後…
後ろに写っている部分は「修復したな」という感じですが、手前の白っぽいスベスベの建物は「取り壊し→新プロジェクトで造った」という表現の方が納得いくかも。
確かに修復は必要だったかもしれない。しかし、だからってここまできれいさっぱり滑々なライムストーンブロック仕上げにするか?
そして、安全の為とはいえ、このいやに近代的な手すりを付けるか??
しかも、階段を上がった所にある、ゴゾ大聖堂前広場への入り口アーチがブロックで塞がれ、絵が描かれた擦りガラスのドアが設置されているではないか!
修復(改築?)された箇所は、実質的には充実している
と、ここまで、不満ばかりをタラタラ述べてきました(汗)。
が、わたくし、表面に対する不満はあっても、その「内容」には満足しているのですよ!本当に。
例えば、先ほどの「スベスベの建物」内部に新しく設けられた「VISITOR’S CENTRE ヴィジターズセンター」。
ここでは、チッタデッラの歴史を大まかに学ぶことができます。
特に、出口前にある「360度シアター」で上映される歴史ムービー(9分)は、観る価値超ありです!
そして、実はここも修復されていたのか!と、先日気が付いたのが、お濠。
ほんと、案内地図がないから、気が付かないのよ~。なぜ案内地図をつくらないのか?
とりあえず、修復前の写真を見てみましょう。
そして、修復後…
このスぺース活用は良いんじゃないですか!壁もスベスベじゃないし。まぁ、手すりはやっぱりコレだけど(断じてコレなのね:汗)。
私の知らない間に(またもや)、ここで野外コンサートが開かれていたらしく、音響効果も抜群だったとのこと。
新生チッタデッラについてのまとめ
- 実質的には満足
- チッタデッラの大半がバリアフリーになった。
- ヴィジターズセンターでチッタデッラの歴史が学べるようになった。
- お濠スぺースが演奏会もできる公園になった。
- 表面的には不満
- スベスベな壁
- いやに近代的な手すり
- 入口アーチを塞いで設置したガラスドア
- 街灯
ほんと、ゴゾの歴史地区に普通に存在する、伝統的な街灯(ガス灯風)や手すり(アールヌーボー風)、ブロック(ざらざらの)を使ってくれればそれで良かったのに…。いや、ガラスのドアもあったか…。
なぜ、こんな冒険をしてしまったのだろう?
新と旧の融合を目指したのだろうけれど、難しいわよねぇ(悲)。
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