イタリアの都心の住まいの殆どは、集合住宅です。
いわゆるアパート、マンション、テラスドハウスなのです。
パッと見は大きなお屋敷のような家でも、実際は二世帯が入る集合住宅である場合が多いです。
とにかく、隣同士が連結しているのです。
古い街の中心地に一軒屋があるとしたら、それは例外です。
その殆どの場合が名家の屋敷であって、90パーセントの確率で建物自体に名前がついています(”ヴィッラ・ローザ”とか)。
とにかく、ヨーロッパの古い町並みを思い浮かべればわかると思いますが、道と広場と連結した建物で街が形成されているのです。
また、建築に関する法律が厳しいため、個人で「一軒家を建てよう!」などと言った日には、様々な許可を取るだけで数年を費やしてしまいます。
街中もしくは住宅街に住むつもりであれば、建売新築もしくは古い家を購入してリフォームするのが一般的です。もちろん、ここで言う家というのも集団住宅のことです。
しかし、この様に「壁の向こうは別世帯」の生活をしていて問題となるのが、
近所との揉め事。
日本でも同様のことが起こるとは思いますが、
ここはイタリア。規律を守れない人達の暮らすイタリア…。
そんな人達をまとめろったって、無理があります。
庭の花壇の花がどうとかこうとか…掃除がどうやら…、そうした細かいことは、微々たる費用で業者に頼んでしまえば良いことです。
自分達でやるなんて言い出したら、庭は荒れ放題、近所付き合いは最悪になること間違い無しです。
しかし、建物のメンテナンス問題となると別です。
古い建物が多いため、屋根を張り替える、外壁を修理するなど、大きなメンテナンスを免れることは少なく…、その場合、非常~~にもめます。だって、一世帯あたりの出費の0が半端無く多いのですから。
メンテナンス費用のためにローンを組むことも少なくありませんから…。
でぇ、その度に「一軒家がいい・・・」と、嘆く羽目になるのですなぁ(泣)。
イタリアの各集団住宅には、その住宅を管理するアミニストラトーレ、日本でいう所のマンション管理士が存在します。
しかし、これだけ集団住宅の数が多いとアミニストラトーレの数も多く、中にはとんでもないヤツがちらほら。
集金したものを持ってトンヅラ等という話もよく耳にします(汗)。
知人の住むマンションの以前のアミニストラトーレなんか、そんなこんなで現在服役中だというではありませんか!
まぁ、こんな他人事のように書いていますが、実はウチも集団住宅の屋根のメンテナンスで揉めているのですなぁ。
築500年の家を修理する時、どれだけ揉めると思います?
すざましい事になっておりますよォ…。