今年もイースター(復活祭)がやってきました。
ゴゾに来て2回目のイースターですが、いまだマルタ家庭のイースター料理がどのようなものか見当がつかずにいます(普段の食生活さえもよくわからない)。
唯一、あっコレ!と、私が認識できるものは「フィゴッラ」。
マルタのイースターには欠かせないフィゴッラ
フィゴッラとは、アーモンドクリームが入った大型ビスケット(イースターをイメージした形)をチョコレートもしくはアイシングでコーティング&デコレーションし、その上に「復活」の意味を込めたエッグチョコを乗せたお菓子です。
私的には、今まで食べたマルタ菓子(そんなに食べた覚えもないけれど…)に中で一番だと思うお菓子かもしれません。
近所のパン屋やスーパーで売っているもの
去年のイースター時 、娘の学校にて買ったお菓子がマイ・ファースト・フィゴッラでした。
通常、フィゴッラの形は、イースターをイメージしたもの。
主に、ウサギ、ひよこ、卵、羊、花、蝶…等々。
しかし、私が手にした初めてのフィゴッラは、写真下のもの。
このシュールな形は、
「きっと、誰かのお母さんの手作りだからに違いない。」
と、思っていたら、近所のパン屋さんにもコレそっくりなフィゴッラたちが並んでいるではありませんか…。
実は、プロのパン屋による作品でした。
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そして、今年のイースター時期に買ったフィゴッラ2点。
ビヨンセ?
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こ、こんなプロポーションでいいの??
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去年以上に適当な「獣」
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近所のパン屋やスーパーで売られているフィゴッラ達は、どれもこれもこんな水溜り…。
ですから私も、
「これは、ゴゾ人のいい加減な大らかな人柄が形に表れているのだね♪」
と、勝手に解釈していました。
が、一概にそういう訳でもなかった!
ホームメイドは別物
先週、地元のシェフ主催のお料理教室に参加する機会を得ました。
イースター直前ということで、メニューにはスープとメイン以外にデザートのフィゴッラ作りも含まれていました。
いやいや、オーブンから出したばかりのホカホカのコーティング無しフィゴッラを味見しましたが、
売り物とは全くの別物です!
アイシングやチョコレートでコーティングすると甘くなってしまうのですが、コーティング無しだとぐっと甘さ控えめ。
何より、生地もアーモンドクリームもフルーティ♪
売り物の水溜りは、アーモンドの味ばかりが強調されていましたが、余計なエッセンスを使わない手作りフィゴッラは、個々の素材の味がハーモ二ーしています♪♪
そして、知ったのですが、
「マルタ人にとってフィゴッラとは、手作りするものであって買うものではない。」
皆、イースターが近づくと手作りフィゴッラのプレゼント交換をし始め、頂いたフィゴッラはイースターの日まで大切に保管するのだそうです。
確かに、既製の水溜りフィゴッラは個数も大して売っていなかったような…その代わり、お店には大量のアーモンドプードルが売られていたわ。ほほう。
そして、素敵な既製フィゴッラが殆ど売られていない理由がもう一つ。
「良い材料(特にア-モンド)を使ったフィゴッラに素晴らしいデコレーションをすれば、値段もそれなりに高くなってしまう。そんな高いフィゴッラを誰が買うのですか?」
確かに…。
マルタのお菓子は、アーモンドをふんだんに使うように思えるのですが、殆どの場合はアーモンドエッセンスをふんだんに使っているのかもしれません。
本当のところ、アーモンドは輸入品のため高価なのです。
儲けを考えたら高くなるんだろうなぁ。
自作に挑戦
ここ数週間、オーブンの調子が悪かったので、フィゴッラ作りは無理かな…と、思っていたら、
どういう訳だかオーブン復活。
イースター前日土曜の夜となってしまいましたが、ギリギリで初めてのフィゴッラ作りを開始!
フィゴッラの形とコーティング
先日の料理教室でも
「複雑な形を作ろうとすると、なんだかわからない形になってしまう。」
と、先生がおっしゃっていました。
ですので、初心者の私は失敗を避けるべく、シンプルな卵形で行くことに決めました。
うーん、水溜りの理由はそれか!(が、どんなに形がとろけても、プロならばデコレーション次第でもう少しましにできるのでは..なんて思ってみたり)。
コーティングはアイシングに決定。
「チョコレートコーティングは、土台の味を消してしまう。」
と、先生がおっしゃっていたのも理由ですが、
何よりも「白い巨大卵」を作りたかったからです♪
材料の紹介
材料と分量は下記の通りです。
この分量で全長35cmの卵形のフィゴッラを作ったところ、ビスケット生地がかなり余りました。
が、このビスケット生地は、型でくりぬいて焼き(180度15~20分、黄金色になるまで)シンプルなビスケットとして食べても美味しい♪
むしろ、私が気に入ったのはこのビスケットの方かもしれない。
今後も、このビスケットを焼く気満々!
ベルモット酒より奥が生地の材料、手前がクリームとデコレーションの材料。
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【アーモンドクリーム】
- アーモンドプードル 250g
- 砂糖 200g
- 卵白 卵一個分
- レモン汁 一個分
- ベルモット酒(マルティー二、赤白どちらでも) 小量
- アーモンドエッセンス(好みで適量。私は入れませんでした。)
- 小麦粉 500g
- べーキングパウダー 小さじ1/2
- 砂糖 100g
- 卵 1個
- ベルモット酒(マルティー二、赤白どちらでも) 小量
- バニラエッセンス 少々
- レモンの皮 一個分
- オレンジの皮 一個分
- バター(常温) 180g
- オレンジの汁 オレンジ1/4個分
- アイシングまたは溶かしチョコ
- 卵型チョコレート
- オーブンぺーパー
- 大きいクッキー型、もしくは、オーブンぺーパーで型紙を作りカット
- 小麦粉(生地をのばす時に使用)
- 水 小量
作り方
1、アーモンドクリームを作ります(できれば前日)
- ボウルに全ての材料を入れ、ねっとりするまで良く混ぜ合わせます。
- ラップをし、冷蔵庫で保存します。
2、生地を作ります
- 小麦粉とべーキングパウダーを合わせてふるいにかけておきます。
- ボウルに常温のバターを数分割したものと砂糖を入れ、ゴムベらでクリーム状になるように混ぜます。
- 卵、ベルモット酒、バニラエッセンス、レモンの皮、オレンジの皮、オレンジの汁を加え、よく混ぜ合わせます。
- 1の粉をふるいにかけながら3に加え、全体が滑らかになるまで手でこねます。
- ラップをして15分くらい冷蔵庫で冷やします。同時に、オーブンを180度で加熱し始めます。
3、生地をのばし型抜きする
- 台に粉をふり、生地を3~4mmの厚さにのばします。(きちんと粉をふらないと、生地が台からはがれなくなります)
- 同じ形のものを2枚型ぬき、もしくは型紙を使ってナイフで切り取ります。
4、アーモンドクリームを詰める
- オーブンぺーパーを敷いたプレートの上に生地を一枚乗せます。
- 縁を残すようにしてアーモンドクリームを乗せ、縁の部分に少量の水を塗ります。
- もう一枚の生地を被せ、縁を指で押して接着させます。
5、オーブンで焼く
- 180度で加熱しておいたオーブンで約30~35分、表面が黄金色になるまで焼きます。
6、コーティングとデコレーションをする
- 余熱がとれたら、コーティングします。
コーティングもデコレーションも好みでお任せします。
私はアイシングと余りの生地で焼いたビスケットを使ってコーティング&デコレーションをしました。
エッグチョコは、花の中心に無理やりはめ込みました(笑)。
題して「でっかい卵ちゃんの誕生!」
反省
やはり、アーモンドクリームは前の日に作った方が良いと思います。
今回作ったフィゴッラは、うちの腹ペコ家族たちの手に掛かり3日と持ちませんでしたが(汗)、一日経つごとにクリームの味が良くなっていくのがハッキリと分かりました!
あと、イースター前日に材料を仕入れに行った為、色々と品薄だった。
フードカラーの3原色が揃えられなかったので、代わりに赤と緑のフードカラーに黄色のアイシングぺーストを買ったのですが、フードカラーは良いとして、ぺーストの扱いを間違えた!
スターチが含まれているせいなのか(?)、時間が経ったら溶け出してきた~(泣)。
「Happy Easter」のHの周りが黄色くにじんでいる…くぅぅ。
ううっ、アイシングの使い方をもっと学ばなければ….。
しかし、まぁ、可愛かったし美味しかったので、初めてにしてはよしっ!
来年も作っちゃうぞー。
[…] フィゴッラのレシピ ←フィリングにアニス小さじ一杯を加わえる […]