マルタやゴゾの街を歩いていると、明らかに人が住んでいない空き家が多いことに気が付きます。
売り出し中の看板が出ているものもあれば、ただ放置されているものもあります。
この、明らかに人が住んでいない空き家の状態には、大きく分けて2種類あります。
ひとつは、シェルフォーム。
そして、もうひとつは、割れたガラスに朽ちたよろい戸の、かなり年季の入った空き家です。
シェルフォームとは
えー、「Shell form 貝の形状」と言いましても、サザエとかホタテ貝の形をした空き家が沢山あるわけではありません(それも可愛いけど♥)。
シェルフォームとは、ずばりこれ↓
窓・よろい戸・床・バルコニー・配線等々の仕上げを入れていない状態の新築もしくはリフォームした建物のこと。確かに、貝殻のところだけですね。
恐らく、他の国でもこういう売り出し方をしているのかもしれませんが...
私は気になる、気になるんですぅ~!街中でやたらと目にするこれらの状態。↓
とか
とか
とかとか...これらのシェルフォームを購入して完成してくれる人が現れなければ、この先10年だって20年だってこの状態なの...?
賛否云々ではなく、気になる...ただ気になる。
まぁ、購入する側の利点を言えば、細かいインテリアや配置、パーツのデザインや質、仕上げの費用にこだわる自由がある事などですかね。
一戸建て住宅のシェルフォームならば、その家を購入した人が入居できる状態に完成させ、建物全体が完成します。
しかし、この国の一戸建てとは、お屋敷もしくはファームハウスのこと(もちろんプール付き)。
一般的な住宅は、お隣同士が壁一枚で隔てられている長屋構造のテラスドハウスTerraced Houseや、アパートマンション等の集合住宅のフラットFlatが殆どです。
ですから、自分が購入した家のお隣や上・下の階がシェルフォームだと、誰かがそこを完成させて人が住んでくれない限り、恐らくずっとシェルフォームのまま...たまらない廃墟感。
「シェルフォームの期限」なんて無さそうだもんなぁ。大体が、マルタには固定資産税が存在しないのだから。そりゃ、空き家が増えるわけだ(-_-)。
ちなみに、マルタには、「相続税」という名の税金もありません。まぁ、実際は、受け取る遺産価値の5%の移動税を所得税の一部として払うのだそうです。でも、5%。日本の相続税は、世界でもトップクラスの高税率ですからねぇ(-_-)。
年季の入った空き家
かなり優しく「年季」と書きましたが、実際の所、老朽化・破損が酷い空き家の事です。
よく見るタイプの古い空き家
↓
もっと年季が入った物件
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更に年季が入った物件
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こういう乾いた感じ、個人的には大好きなんですけど、リフォーム代(総建て替えか...)がえらく掛かりそう(汗)。
これ、日本だったら空き家対策特別措置法で「特定空き家(更地の1/6だった固定資産税の税率が更地と同様になる恐れあり)」に指定されてしまうのかしら?実際の所、どの程度の空き家が特定空き家なのだろうか?
空き家のこれから
こうも多い空き家を減らすには、やはり固定資産税の導入が手っ取り早いのかな?とも思いますが、それはそれで色々な不都合が生じるのでしょう。固定資産税が無いという事実は、海外から不動産投資家を引き寄せる魅力の一つでもありますからねぇ。
でも、老朽化が酷い空き家に関しては、崩壊の危険を踏まえて、もうちょっとどうにかしたほうが良いのではないでしょうか?マルタ政府殿。
そして、シェルフォーム...ウーン、所有者が完成させて住むか、貸すか、転売しない限りシェルフォームが無くなる事はありませんからねぇ。「シェルフォームのままでの転売が続く→ぐんぐん老朽化が進む→終いには誰も住む事のないまま崩壊。」なんていうことが、この先増えて行きそうで心配です(-_-)。